赤色3号は石油などを原料に化学的に合成して作る着色料「タール色素」の一つ。食品などを鮮やかな赤色にする効果がある。
米食品医薬品局(FDA)が15日、動物への発がん性の疑いなどを理由に食品添加物の一種で着色料の赤色3号の食品への使用を禁止すると発表した。
赤色3号は日本では使用が認められており、実際に様々な食品に使用されている。同様に、日本では認められているものの、欧米では禁止されたり禁止に向けた議論が進んでいたりしている食品添加物は、実は少なくない。
欧米で赤色3号が禁止になった理由
理由は、赤色3号のエリスロシン(Erythrosine)が動物実験で甲状腺に良性または悪性の腫瘍を引き起こすおそれがあるためだそうです。
米国のペンシルバニア大学によるラット実験で、慢性的なエリスロシンの摂取は甲状腺刺激ホルモン(TSH)による甲状腺への慢性刺激によって甲状腺腫瘍の形成を促進する可能性を報告しています。
その他の赤色合成着色料について
赤色1号は発がん性などで日本でも使用禁止
赤色2号は日本では使用が許可されている。欧米の一部の国では発がん性や蕁麻疹などで使用が禁止
赤色4号は日本でも発がん性などで使用禁止
赤色5号も日本でも発がん性などで使用禁止 など。
多くの合成着色料は見た目をきれいに見せるためのもので、健康面ではあまり好ましいものではありません。
一方、クチナシ、ベニバナ、ウコンなどの天然着色料は健康被害を引き起こす可能性はほとんどないので比較的安全ですが、多くの合成着色料は健康上の問題を引き起こすおそれがあるので、添加物として合成着色料を使用した食品や飲料および化粧品はできるだけ避けるようにしたほうが無難です。
EUはすでに禁止にしていた。
欧州連合(EU)は1994年に赤色3号の使用を原則禁止している。現在は、パフェなどのトッピングに使われるチェリーの砂糖漬けなどごく一部の食品に規定量内での使用が認められている。米メディアの報道によると、オーストラリアとニュージーランドもすでに禁止している。
日本では赤色3号の使用は認められており、一部のソーセージや明太子、洋菓子、デコレーション用のチョコレートなどに使われていた。ただ、日本でも食品添加物の安全性を不安視する消費者は多いことから、赤色3号の使用を自発的に止めているメーカーも多い。
赤色3号のように、日本では使用が認められているものの、欧米ではすでに禁止されたり使用規制強化に向けた動きが進んだりしている食品添加物は他にもある。
その他の食品添加物
赤色3号を禁止したカリフォルニア州法は同時に、別の3種類の食品添加物も禁止した。その中の一つ「臭素酸カリウム」は、主にパンの食感をよくするために使われる。
米政府は禁止していないが、ニューヨーク州やイリノイ州などはカリフォルニア州同様、州法による禁止を目指している。EUは1990年に禁止した。世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は臭素酸カリウムを「グループ2B」(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に分類している。
使用している日本の食パンメーカーはホームページで「臭素酸カリウムは食品衛生法でパンの製造のみに小麦粉改良剤として使用が認められている食品添加物です。また、使用した臭素酸カリウムについては、最終食品の完成前に分解または除去しなければならないとされており、製品中に残存しないことで使用が認められています」と述べている。
カリフォルニア州は法案提出過程で禁止を見送ったが、ニューヨーク州などが禁止を検討しているのが、白色剤の「二酸化チタン」だ。DNAを損傷させる可能性が指摘されており、EUは2022年に禁止した。
禁止ではないが、EUは2023年10月、発色剤や保存料として使われる「硝酸塩」と「亜硝酸塩」の食品への使用許容量を大幅に減らすと発表した。発がん性の疑いがあるためだ。いずれも、日本でもハムやベーコン、たらこ、明太子などによく使われている。
まとめ
今回、食品添加物について調査してみました。日本では許可されているが、海外では様々な危険性から禁止になっているものもあり、驚きました。
今後、見た目がきれいな色の食品や飲料を購入する際、ラベルの原材料名の表示欄をチェックするようにしようと思いました。